1.骨粗しょう症について
骨粗しょう症とは
骨は何からできているか知っていますか?ほとんどの方は「カルシウム」を思い浮かべることでしょう。もちろんカルシウムは主成分なのですが、実は、重さにして20%、体積にするとなんと50%がタンパク質でできています。
骨はよく鉄筋コンクリートに例えられますが、カルシウムやリンなどのミネラルからなるコンクリートと、コラーゲンなどのタンパク質でできた鉄筋から成っています。
コンクリートだけだとただ硬くてもろい骨になってしまいますが、その中を走るコラーゲンでできた鉄筋、そして鉄筋同士を繋ぐ梁(はり)の役割をする架橋と呼ばれるものが規則正しく配置されることにより、強さとしなやかさを併せ持つ骨となるわけです。
骨粗しょう症とは、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。難しい言葉でいうと、「骨量の低下と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患」となります。
骨の強度は、骨密度と骨質によって決まると考えられており、その7割が骨密度、3割が骨質によるとされています。骨密度は骨の量、つまりはコンクリートの量、そして骨質は微細構造である鉄筋と架橋に左右され、骨粗しょう症はそのコンクリート(=骨の量)が少なくなることと、鉄筋と架橋(=微細構造)に異常が起きている状態です
骨は古くなったら壊され、また新しく作られる
古くなった骨は破骨細胞という細胞によって壊されていき、一方では骨芽細胞によって新しい骨が作り出されていきます。これを骨のリモデリングといい、全骨格の3〜6%が常にリモデリングされていると言われています。
鉄筋コンクリートでできた建物は一度建ててしまえば何十年と持ちますが、コンクリートが古くなってもろく崩れやすくなったり鉄筋が錆びてきたりすれば、地震によって倒れてしまうリスクが高まります。骨にも同じことが言えますが、リモデリングのおかげで常に強い骨でいることができるのです。
骨強度の低下は年齢と共に誰にでも徐々に現れてくる症状ですが、女性においては閉経に伴って女性ホルモンの分泌が低下することにより急激に骨量が低下していきます。また飲酒、喫煙、偏った食生活、運動不足などの生活習慣にも大きく左右され、生活習慣病とも深い関わりがあります。これらは、コンクリートや鉄の材料不足であったり、酸化ストレスにより鉄筋や梁が錆びてしまったりすることを意味し、作る、壊すスピードやバランスが崩れてしまうことで骨強度が低下し、転倒などの外力によって簡単に骨折してしまうことになります。
骨を強くするも弱くするも、今のあなた次第
骨密度測定検査は骨量を測る検査で、骨量の低下を発見することができ、早めに対処することで改善を見込めます。特に普段から運動をあまりしない方、お酒やタバコが好きな方、閉経前後の女性、生活習慣病の方などは是非、骨密度検査を受けてみてください。結果によっては生活習慣改善の指導や治療を開始しますので、定期的に測定することをお勧めします。
一度骨折してしまうと、次の骨折を起こすリスクが数倍に上がってしまい、健康寿命も短くなります。骨折を予防するために骨密度検査を受けましょう!!
2.骨密度測定検査について
当院での骨密度測定検査の流れをご説明します。